しばらく前に、harusoraの家に、札幌市からの連絡文書が届きました(たしか、haruくんの通所支援受給者証の更新時期の2ヶ月ほど前だったと思います)。
内容としては、通所支援受給者証の更新について、通常は、利用者(保護者)が区役所に出向いて更新するところ、今年は新型コロナウイルス感染症対策のため、郵送でやりとりするので、同封した書類に必要事項を記入して提出せよ、というものでした。
それ自体は、今年はコロナがあるし仕方ない、と理解できるのですが、同封されていた用紙のうちの一枚をみて、一瞬固まりました。
この用紙です(原本は記入して提出済みのため、用紙を再現したものですので、多少不正確です)。
これは、放課後等デイサービスの利用区分が「区分1」になるかどうかの判断のための調査事項が記載されたものです。
どういうことかというと、重度の子どもを積極的に受け入れている事業所と、軽度の子どもしか受け入れない事業所も同じ報酬設定なのは不公平だ、という発想で、2018(平成30)年度から放課後等デイサービスの報酬規程が改定され、区分1に該当する子どもを毎月ごとの延べ人数換算で50%以上受け入れている事業所は、報酬基礎単価が少し高く設定されるようになりました。
この判断は、これまでは、行政の担当者さんが、自宅を訪問したり、電話で聞き取りしたり、ヒアリングを行った上で、各調査事項について、どれに該当するかを判定したうえで、決定されていました。
それが、突然、この用紙だけ送られてきても、どのように回答して良いか、戸惑ってしまう保護者さんが殆どではないでしょうか。
例えば、「食事」、haruくんの場合、スプーンと手を使って一人で食べますが、お箸やフォークは殆ど使いません。手はすぐぬれたり汚れたりするので、harusoraがそのつど手を拭いて、お茶や調味料もharusoraが入れたりかけたりします。これって、「一人でできる」のでしょうか、それとも「少し介助」、あるいは「全介助」なのでしょうか。この用紙だけでは余りにも説明が不足しているように感じます。
harusoraは札幌市の扱いしか知りませんが、他の自治体はどうしているのでしょうか。
同じような思いをしている放課後等デイサービスの利用者(保護者)さんが全国にいるかもしれませんので、そのような方々の少しでも助けになればと思い、この調査項目について、少し解説していきたいと思います。
この各項目の判断ですが、実は、2014(平成26)年に厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部が作成した「障がい者総合支援法における障害支援区分 認定調査員マニュアル」に基本的に準拠しています。
(各項目の判断について認定調査員マニュアルに準拠して判断することについては、厚生労働省ホームページ上の平成30年10月24日開催の第91回社会保障審議会障害者部会の資料4「平成30年4月の放課後等デイサービス報酬見直し」〔外部リンク〕を、同じく認定調査員マニュアルについて詳しく知りたい方は、同じく厚生労働省の「障害支援区分」のページ〔外部リンク〕をご参照下さい。)
次項以降で、各項目ごとにマニュアルの記載内容を確認していきます。
→「日常生活動作」に関する認定調査員マニュアルの内容
→「行動障害」に関する認定調査員マニュアルの内容
親としては、自分の子どもは出来ている、とひいき目で見たくなるものですが、実態以上に軽度の認定になっても、利用している事業所に迷惑をかけてしまいますし、他方、仮に事業所にお願いされたとしても実態以上に重度の認定になるように書いてしまっては事業所が報酬を不正受給する片棒を担ぐことになってしまいます。
できるだけ、子どもの現状を客観的に把握して記入することを心がけたいですね。
(2020年8月7日)