〔放課後等デイサービスガイドラインとは〕

「放課後等デイサービスガイドライン」とは、厚生労働省の「障害児通所支援に関するガイドライン策定検討会」が、2015(平成27)4月1日に発表した、放課後等デイサービスを実施するにあたっての基本的事項を示したガイドラインです。

〔放課後等デイサービスガイドラインの基本的な考え方〕

放課後等デイサービスガイドラインの基本的な考え方は、以下のようなものです。

【放課後等デイサービスの基本的役割】

1 子どもの最善の利益の保護

放課後等デイサービスは、支援を必要とする障害のある子どもに対して、学校や家庭とは異なる時間、空間、人、体験等を通じて、個々の子どもの状況に応じた発達支援を行うことにより、子どもの最善の利益の保障と健全な育成を図るものだとされています。

2 共生社会の実現に向けた後方支援

放課後等デイサービスは、放課後児童クラブや児童館等の一般的な子育て支援施策を、専門的な知識・経験に基づきバックアップする「後方支援」としての位置づけも踏まえつつ、必要に応じて放課後児童クラブ等との連携を図りながら、適切な事業運営を行うことが求められるとされています。

3 保護者支援

放課後等デイサービスは、

① 子育ての悩み等に対する相談を行うこと
② 家庭内での養育等についてペアレント・トレーニング等活用しながら子どもの育ちを支える力をつけられるよう支援すること
③ 保護者の時間を保障するために、ケアを一時的に代行する支援を行うこと

も期待されています。

【放課後等デイサービスの提供に当たっての基本的姿勢と基本活動】

1 基本的姿勢

放課後等デイサービスの提供に際しては、子どもの最善の利益を考慮し、人権に配慮した支援を行うために、子どもの支援に相応しい職業倫理を基盤として職務に当たらなければならないとされています。
そして、放課後等デイサービスの対象は、心身の変化の大きい小学校や特別支援学校の小学部から高等学校等までの子どもであるため、この時期の子どもの発達過程や特性、適応行動の状況を理解した上で、コミュニケーション面で特に配慮が必要な課題等も理解し、一人ひとりの状態に即した放課後等デイサービス計画(=個別支援計画)に沿って発達支援を行うものとされています。

2 基本活動

基本的姿勢を踏まえ、放課後等デイサービスは以下の基本活動を複数組み合わせて支援を行うことが求められています。

① 自立支援と日常生活の充実のための活動

② 創作活動

③ 地域交流の機会の提供

④ 余暇の提供

3 事業所が適切な放課後等デイサービスを提供するために必要な組織運営管理

放課後等デイサービス事業所が適切な支援を安定的に提供することにより、障害のある子どもの健全な育成に貢献するとともに、子どもや保護者の満足感、安心感を高めるためには、組織運営管理を適切に行うことが求められています。

① 適切な支援の提供と支援の質の向上

② 説明責任の履行と、透明性の高い事業運営

③ 様々なリスクへの備えと法令遵守

〔その他〕

そのほか、放課後等デイサービスガイドラインには「設置者・管理者向けガイドライン」「児童発達支援管理責任者向けガイドライン」「従業者向けガイドライン」が記載されています。

それなりのボリュームがあるガイドラインですので、全ての職員さんが熟読することは難しいかもしれませんが、管理者や児童発達支援管理責任者が、ガイドラインの存在すら知らない、という事業所には、ちょっと気をつけた方が良いかもしれません。

ガイドラインそのものは、興味があれば、厚生労働省ウェブサイトの「放課後等デイサービスガイドライン」のページ(外部リンク)をご覧下さい。

(2020年10月6日)