〔行政上の定義〕

文部科学省によれば、「自閉症とは、3歳位までに現れ、1他人との社会的関係の形成の困難さ、2言葉の発達の遅れ、3興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害であり、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。」とされています。

(出典:厚生労働省ウェブサイト「トップ > 教育 > 特別支援教育 > 特別支援教育について > 4.それぞれの障害に配慮した教育 > (8)LD、ADHDの教育 > 主な発達障害〔外部ページ〕


〔医学上の位置づけ〕

自閉症は、通常、発達障害の1つと位置づけられています。

「自閉症」の名前の由来は、1943年にアメリカのレオ・カナーが、autismと命名したことによるとされています。

autismはギリシャ語のautos(自我)に由来しており、カナーの報告では「自閉的孤立」と「同一性保持への欲求」が障害としての中心とされています。例えば、数字を順番通りに並べるというようなことです。

昭和20年代から30年代にかけて、日本にもこの概念が導入され、その際に、「自我に閉じこもる」ということが転じて「自閉症」と名付けられたようです。

自閉症の原因としては、1950年代~70年代にかけては「母親の愛情不足」(いわゆる冷蔵庫マザー)が原因だと言われていましたが、現在では、脳の機能的障害であることが判明しています。

医学的には、長年、「広汎性発達障害」(PDD:Pervasive Developmental Disorder)の一類型とされていました。

アメリカ精神医学会の診断ガイドライン(DSM-Ⅳ:1994年)においては、広汎性発達障害の下位分類の1つとして、自閉性障害(自閉症)が挙げられており、その診断基準は概ね次の3点でした。

① 対人的(社会的)相互作用の質的な障害

② コミュニケーションの質的な障害

③ 限定された興味や活動(こだわり、想像力の欠如)

もっとも、近年、以下に述べるように、大きな変化が見られています。


(DSM-5における位置づけ)

2013年にはアメリカ精神医学会の診断ガイドライン(DSM-5)によって「自閉症スペクトラム障害」(ASD:Autism Spectrum Disorder)とその名称が変更され、重度の自閉症から定型発達に近い状態までをも含む、相当広い概念と再構成されました。

  →「自閉症スペクトラム障害」

(ICD-11における位置づけ)

さらに、2019年には約30年ぶりに世界保健機構(WHO)の国際疾病分類が改訂され(ICD-11)、そこでは「自閉スペクトラム症」(日本精神神経学会の訳によります)と命名され、もはや「障害」という単語すら付かなくなりました(もっとも、英語では「Autism spectrum disorder」なので、DSM-5と同様です。)。

 →「自閉スペクトラム症

〔法律上の位置づけ〕

法律上は、発達障害者支援法において、「『発達障害』とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」とされており(発達障害者支援法2条1項)、自閉症を発達障害の一類型として位置づけています。

(2020年7月28日)

(2020年8月12日~14日追記)

(2020年8月21日追記)