〔「特別支援学級」の制度的位置づけ〕

「特別支援学級」とは、通常の学校において、教育上特別の支援を必要とする児童生徒に対し、障害による学習上又は生活上の困難を克服するための教育を行うものです。

学校教育法81条1項においては、幼・小・中・高等学校において障害による学習上又は生活上の困難を克服するための教育を行うことを定めており、すべての学校において特別支援教育が実施されることとされています。
その上で、「特別支援学級」は、同法81条2項に基づき設置されています。

〔「特別支援学級」による就学の対象となる障害〕

「特別支援学級」による就学の対象となる障害は、学校教育法81条2項に列挙されており、具体的には次のとおりです。

1 知的障害者
2 肢体不自由者
3 身体虚弱者
4 弱視者
5 難聴者
6 その他障害のある者で、特別支援学級において教育を行うことが適当なもの

第6号の「その他」に該当する障害は、「言語障害」、「自閉症」及び「情緒障害」です。

〔「特別支援学級」による就学の対象となる障害の程度〕

「特別支援学級」による就学の対象となる障害の程度は、文部科学省初等中等教育局長の平成25年10月4日付けの「障害のある児童生徒等に対する早期からの一貫した支援について(通知)」という通知で定められています。

具体的には、次のとおりです。

1 知的障害者
知的発達の遅滞があり,他人との意思疎通に軽度の困難があり日常生活を営むのに一部援助が必要で,社会生活への適応が困難である程度のもの

2 肢体不自由者
補装具によっても歩行や筆記等日常生活における基本的な動作に軽度の困難がある程度のもの

3 病弱者及び身体虚弱者
(1) 慢性の呼吸器疾患その他疾患の状態が持続的又は間欠的に医療又は生活の管理を必要とする程度のもの
(2) 身体虚弱の状態が持続的に生活の管理を必要とする程度のもの

4 弱視者
拡大鏡等の使用によっても通常の文字,図形等の視覚による認識が困難な程度のもの

5 難聴者
補聴器等の使用によっても通常の話声を解することが困難な程度のもの

6 言語障害者
口蓋裂,構音器官のまひ等器質的又は機能的な構音障害のある者,吃音等話し言葉におけるリズムの障害のある者,話す,聞く等言語機能の基礎的事項に発達の遅れがある者,その他これに準じる者(これらの障害が主として他の障害に起因するものではない者に限る。)で,その程度が著しいもの

7 自閉症・情緒障害者
(1) 自閉症又はそれに類するもので,他人との意思疎通及び対人関係の形成が困難である程度のもの
(2) 主として心理的な要因による選択性かん黙等があるもので,社会生活への適応が困難である程度のもの

(通知の原典については、文部科学省ウェブサイト「障害のある児童生徒等に対する早期からの一貫した支援について(通知)」(外部リンク))

 

障害を持った子どもの就学について

 

(2021年1月28日)