〔短期入所(ショートステイ)とは〕

「短期入所〔ショートステイ)」とは、障害者総合支援法に定められた障害福祉サービスという行政サービスの1つで、諸事情により、施設への短期間の入所を必要とする障害者等について、施設に短期間の入所をさせて日常生活と社会生活に関する支援を行います。

具体的には、居宅においてその介護を行う者の疾病その他の理由により、障害者支援施設その他の厚生労働省令で定める施設への短期間の入所を必要とする障害者等につき、

・施設に短期間の入所をさせ、

・入浴、排せつ又は食事の介護

・その他の必要な支援

です(障害者総合支援法5条8項)。

その対象となるのは、障害支援区分が区分1以上(障害児の場合、これに相当するもの)の障害者です。


〔どういう場面で使われるのか〕

一番考えられるのは、本来介護している人(障害児の場合、親御さんでしょうか)が病気で入院等必要になった場合(居宅においてその介護を行う者の疾病)です。

ただ、それだけではなくて、「その他の理由」もあります。どれだけ愛情を持って接しようとしていても、重い障害を持ったお子さんと四六時中毎日一緒にいるのは疲れてしまう、そういうことも十分あり得ることです。

配偶者は頼りになるか、あるいは近くに頼れる親族がいるかどうか、また、お仕事の忙しさによっても、その大変さというのは変わってきます。

どうしようもなく疲れきって、お子さんに辛くあたってしまうくらいならば、どこかで割り切って、数日間ショートステイを利用して、親子ともにリフレッシュして、再び笑顔で暮らしていけるならば、そうした方が良い場面もあるかと思います。


〔事業所の形態〕

短期入所(ショートステイ)事業所には、(1)併設型事業所、(2)空床利用型事業所、(3)単独型事業所、の3つの形態があります。

(1)併設型事業所・・・障害者支援施設、児童福祉施設その他の入所施設に併設され、一体的に運営を行う事業所

(2)空床利用型事業所・・・利用者に利用されていない障害者支援施設等の全部又は一部の居室において、短期入
所の事業を行う事業所

(3)単独型事業所・・・障害者支援施設等以外の施設であって、利用者に利用されていない居室において、短期入所の事業を行う事業所


〔設置基準〕
【人員基準】

①管理者・・・1人

②従業者・・・事業所の形態によって微妙に異なりますが、概ね、利用者6人あたり職員1人必要とされています。

【設備基準】

(1)併設型の場合と、(2)空床利用型の場合は、それぞれの本体施設との兼ね合いによります。

(3)単独型の場合

居室・・・①定員4名以下、②1人あたり床面積8㎡以上、③寝台、ブザー等設置すること、④地階に設けてはならない

設備・・・①食堂、②浴室、③各階ごとに洗面所、便所が必要


〔利用にあたって〕

利用に当たっては、行政から障害福祉サービス受給者証の交付を受ける必要があります。

札幌市の場合、事業所の空き情報等が検索できる「元気さーち」(外部リンク)というサイトがありますので、参考になるかと思います。

→ お子さんが行動援護やショートステイを利用するには
→ 障害福祉サービス受給者証とは

(2020年10月21日)