「行動障害」についてですが、16個ある項目それぞれにつき、「問題がない(できる)」を0点、「少し問題がある(少しできる)」を1点、「問題がある(できない)」を2点として、合計が13点以上となる場合、「区分1」に該当します。
(出典としては札幌市ホームページ(外部リンク)から、ホーム > 健康・福祉・子育て > 福祉・介護 > 障がい福祉 > 事業者のみなさまへ > 通知 > 障害児通所支援でたどり着ける障害児者通所支援のページに掲載されている、掲載年月日平成30年3月6日の「別添1 平成 30 年度障害福祉サービス等報酬改定の概要(抜粋)」の110ページになります。)
以下、認定調査員マニュアルの該当項目を引用します。なお、出典は、厚生労働省HP上の「障害者総合支援法における障害支援区分認定調査員マニュアル」のページ(外部リンク)です。
【コミュニケーション】
〔調査目的〕
家族や友人、支援者等とのコミュニケーション(意思疎通)ができるかどうか、その方法について、確認する。
〔留意点〕
○ 「できたりできなかったりする場合」は、「できない状況」に基づき判断する。
〔判断基準〕
[1.日常生活に支障がない]
○ 日常生活におけるコミュニケーションに支障がない場合。
[2.特定の者であればコミュニケーションできる]
○ 特定の者であればコニュニケーションできる場合。
○ 特定の話題や状況であればコミュニケーションできる場合。
[3.会話以外の方法でコミュニケーションできる]
○ 音声言語による会話ではコミュニケーションできないため、手話や筆談、メール、意思伝達装置等でコミュニケーションする場合。
[4.独自の方法でコミュニケーションできる]
○ 独自の方法(本人独特の身振りや仕草)でコミュニケーションする場合。
○ 重度肢体不自由のため、まばたき等でコミュニケーションする場合。
○ 盲ろう(視覚と聴覚の重複障害)のため、触手話や指点字等でコミュニケーションする場合。
[5.コミュニケーションできない]
○ 重度の知的障害、精神障害や意識障害等のため、コミュニケーションできない場合。
○ コミュニケーションできているかどうか判断できない場合。
【説明の理解】
〔調査目的〕
家族や友人、支援者等からの説明を理解できるかどうかについて、確認する。
〔留意点〕
○ 対象者が使用するコミュニケーション方法で説明を行った場合に基づいて判断する。
○ 「できたりできなかったりする場合」は、「できない状況」に基づき判断する。
〔判断基準〕
[1.理解できる]
○ 説明を全て理解し、それに反応(返事、うなづき、無視等)する場合。
[2.理解できない]
○ 説明を全ては理解できず、説明に応じた行動ができない場合。
[3.理解できているか判断できない]
○ 説明を理解できているか判断できない場合。
【行動障害に関連する項目】
以下の13個の行動障害に関する項目については、認定調査員マニュアル上、まとめて解説がなされています。
【大声・奇声を出す】
○ 周囲が驚いたり、他者が迷惑となるような大声や奇声を出す場合。
○ 物などを使って周囲に不快な音を立てる場合を含む。
【異食行動】
○ 食べられないものを口に入れたり、飲み込んだりする異食行動がある場合。
○ 異食行動を未然に抑えるため、異食しそうなものを周囲に置かない場合。
【多動・行動停止】
○ 特定の物や人(対象が明確でない場合も含む。)に対する興味関心が強く、思うとおりにならないと多動になったり、その対象にこだわって動かなくなってしまう場合。
○ 生活場面において、目的や意味が理解できず、行動に支障をきたす場合。
【不安定な行動】
○ 予定や手続き、日頃から慣れている支援者や状況等が変わることが受け入れられず、突然大声を出したり、興奮する等のパニック状態になる等、行動が不安定になる場合。
○ 不安、恐怖、焦燥等にかられて衝動的な行動がある場合。
【自らを傷つける行為】
○ 自ら傷跡が残るほど自分の体を叩いたり傷つける、頭髪を抜く、手首を切る、多量の薬を服用する等、自分の体を傷つける行為がある場合。
○ 自分の体を傷つける行為をとるが、環境上の工夫等があるため、傷ついていない場合。
【他人を傷つける行為】
○ 他人を叩く、髪の毛を引っ張る、蹴る等、他人を傷つける行為がある場合。
○ 壁を壊したり、ガラスを割ったりする等、他人を傷つける危険性がある場合
○ 他人を傷つける行為をとるが、環境上の工夫等があるため、傷ついていない場合。
【不適切な行為】
○ 興味や関心が優先したり、適切な意思表示ができなかったり、判断能力が不十分だったりする等により、不適切な行為がある場合。
例:急に他人に抱きつく、 断りもなく物を持ってきてしまう、 他人をのぞき込む、急に他人に接近する
○ 不適切な行為を行おうとするが、それを防ぐための支援を行っている場合。
【突発的な行動】
○ 関心が強い物や人(対象が明確でない場合も含む。)を見つけたら、突然そちらへ走っていってしまう等、突発的な行動がある場合。
○ 突発的な行動を行おうとするが、それを防ぐための支援を行っている場合。
【過食・反すう等】
○ 過食や過飲、拒食、反すう等、食に関する行動上の問題がある場合。
【そう鬱状態】
○ 気分が憂鬱で悲観的になったり、時には抑鬱気分により思考力が低下し、考えがまとまらないため、日常生活に支障をきたす場合。時に死にたいと言ったそぶりを示し、危険を防止するために誰かがそばについているなどの配慮が必要とされる場合。
○ 気分の高揚により、活動性が亢進し、様々なことを思いつき、次々と行動に移すが、注意力が散漫であるため、その結果は失敗に終わることが多く、社会生活に影響を及ぼす場合。時に自尊心の肥大から、他者への攻撃性が高まり、暴力的になることもあるため、社会的な対応が必要とされる場合。
○ 上記の状態が繰り返される場合。
【反復的行動】
○ ある考えに固執し、特定の行為を反復したり、儀式的な行為にとらわれる等により、動作に時間がかかり日常生活に支障が生じる場合。
例:必要以上に手を洗う、必要以上に施錠を確認する
【対人面の不安・緊張】
○ 人に会うと緊張状態になる、危害を加えられるのではないかという強い不安が生じる等のため、外出等ができない場合。
○ 長期にわたって引きこもり状態である場合は、「5.ほぼ毎日(週5日以上)ある」を選択。
【集団生活への不適応】
○ 家族や家族以外の社会参加の機会を拒否したり、その場にいても一緒に行動できない場合。
〔調査目的〕
日常生活における行動上の障害への支援の必要性の有無と頻度を確認する。
〔留意点〕
○ 調査日前の1か月間について確認する。
○ 場所や場面、接する相手等は問わない。
○ 行動上の障害が生じないように行っている支援や配慮、投薬等の頻度を含め判断する。
そのため、「行動上の障害が現れた場合」と「行動上の障害が現れないように支援している場合」
は同等の評価となる。
〔判断基準〕
[1.支援が不要]
○ 行動上の障害が現れる可能性がほとんどない場合。
[2.希に支援が必要]
○ 行動上の障害が現れる可能性があるが、調査日前の1か月間には現れていない場合。
[3.月に1回以上の支援が必要]
○ 調査日前の1か月間に、1回以上現れている場合。
[4.週に1回以上の支援が必要]
○ 調査日前の1か月間に、毎週1回以上現れている場合。
○ 調査日前の1か月間に、2回以上現れている週が2週以上ある場合。
[5.ほぼ毎日(週に5日以上の)支援が必要]
○ 調査日前の1週間に、週5日以上現れている場合。
○ 調査日前の1か月間に、5日以上現れている週が2週以上ある場合。
【読み書き】
〔調査目的〕
読み書き(文章を読むこと、書くこと)について、支援が必要かどうかを確認する。
〔留意点〕
○ 「できたりできなかったりする場合」は、「できない状況」に基づき判断する。
〔判断基準〕
[1.支援が不要]
○ 何らかの支援がなくても、「読み書き」の全てを自分で行うことができる場合。
[2.部分的な支援が必要]
○ 「読み書き」の全てを自分で行えるが、見守りや声かけ等の支援(支援者等による対象者の身体に触れない支援)が必要な場合。
○ 「読み書き」の一部を自分で行えないため、部分的に支援(見守りや声かけ等の支援を除く)が必要な場合。
○ 書くことはできないが、パソコン等の代用手段がある場合。
[3.全面的な支援が必要]
○ 「読み書き」の全てを自分で行えないため、全面的に支援(見守りや声かけ等の支援を除く)が必要な場合。
○ 「読み書き」の目的や内容を理解していない場合。
○ 視覚障害や盲重複障害のため、点字等を使用している場合。
○ 学習障害のため、読み書きが困難な場合。
→「日常生活動作」に関する認定調査員マニュアルの内容
(2020年8月9日)