〔「児童指導員」とは〕

児童発達支援事業所や放課後等デイサービスで職員として従事することができる資格として、「保育士」と並んで「児童指導員」というものがあります。

この「児童指導員」という資格、なんとなく分かるようで分からないですよね。

実は、「保育士」や「教師」みたいに、「児童指導員」という資格や免許があるわけではなく、一定の資格を持っていたり、条件を満たす人を「児童指導員」として扱うこととしているのです。

それでは、どういう資格を有していれば良いかですが、ます、児童福祉法21条の5の19第1項は、事業者は、都道府県の条例で定める基準に従い、通所支援に従事する従業者を有しなければならないと定められており、同条第3項は、都道府県が条例を定めるには、厚生労働省令で定める基準によるとされています。

ここで言う、「厚生労働省令による基準」というのが、「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成24年2月3日)(厚生労働省令第15号)」です。

この5条1項1号で、児童指導員について、「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(昭和23年厚生省令第63号)第21条第6項に規定する児童指導員をいう。」と定められております。

そこで、「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(昭和23年厚生省令第63号)」を見ると、その第21条6項では、児童指導員について「児童の生活指導を行う者をいう。」としか書かれていません。実はこの基準をずっと後ろの方まで見ていくと、第43条で「児童指導員の資格」というものが定められています。

以下、引用します。

「児童指導員は、次の各号のいずれかに該当する者でなければならない。

1 都道府県知事の指定する児童福祉施設の職員を養成する学校その他の養成施設を卒業した者

2 社会福祉士の資格を有する者

3 精神保健福祉士の資格を有する者

4 学校教育法の規定による大学(短期大学を除く。次号において同じ。)において、社会福祉学、心理学、教育学若しくは社会学を専修する学科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者

5 学校教育法の規定による大学において、社会福祉学、心理学、教育学又は社会学に関する科目の単位を優秀な成績で修得したことにより、同法第102条第2項の規定により大学院への入学を認められた者

6 学校教育法の規定による大学院において、社会福祉学、心理学、教育学若しくは社会学を専攻する研究科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者

7 外国の大学において、社会福祉学、心理学、教育学若しくは社会学を専修する学科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者

8 学校教育法の規定による高等学校若しくは中等教育学校を卒業した者、同法第90条第2項の規定により大学への入学を認められた者若しくは通常の課程による12年の学校教育を修了した者(通常の課程以外の課程によりこれに相当する学校教育を修了した者を含む。)又は文部科学大臣がこれと同等以上の資格を有すると認定した者であつて、2年以上児童福祉事業に従事したもの

9 教育職員免許法に規定する幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校又は中等教育学校の教諭の免許状を有する者であつて、都道府県知事が適当と認めたもの

10 3年以上児童福祉事業に従事した者であつて、都道府県知事が適当と認めたもの」

そして、これを踏まえて、例えば、札幌市の場合、札幌市児童福祉法施行条例というものを制定し、その第195条で同様の内容を定めています。

 

児童指導員を名乗る場合に、比較的多いパターンとしては、
①教員免許をもっている人(上記9号)
②高校を卒業していて、2年以上の実務経験がある人(上記8号)
③大学の教育学部、社会学部、心理学科等を卒業している人(上記4号)でしょうか。

(2020年10月9日)
(2020年10月10日修正)