〔児童発達支援とは〕

「児童発達支援」とは、児童福祉法に定められた障害児通所支援という行政サービスの1つで、児童の発達に関する支援を行います。

具体的には、

・日常生活における基本的な動作の指導

・知識技能の付与

・集団生活への適応訓練

・その他必要な支援

です(児童福祉法6条の2の2第2項)。

その対象となるのは、療育の観点から集団療育及び個別療育を行う必要があると認められる未就学の障害児です。

具体的には、

・市町村の乳幼児検診等で療育の必要性があると認められたお子さん

・保育所や幼稚園に在籍しているけれども、併せて、児童発達支援事業所において、専門的な療育・訓練を受ける必要があると認められたお子さん

などです。


〔どういう場面で使われるのか〕

お子さんの成長過程で、発達に不安や遅れがあると認められた場合、

例えば、

・1歳半検診や3歳児検診等で発達の遅れや障害のおそれを指摘された場合

・パパ、ママやおじいちゃん、おばあちゃん、周りの人などが気がついて、市町村などで実施している発達相談を受けた場合

・お医者さんから指摘された場合

などが考えられます。


〔設置基準〕
【人員基準】

①管理者・・・1人(児童発達支援管理責任者との兼務が可能)

②児童発達支援管理責任者・・・1人以上(管理者との兼務が可能)

③児童指導員、保育士、障害福祉サービス経験者(高卒以上で2年以上障害福祉サービスに係る業務に従事した者)・・・利用者の数が10人までは2人以上、それ以上は利用者5人ごとに1人増える(利用者数が11~15人だと3人以上、16~20人だと4人以上・・・となっていきます)

*1 児童指導員、保育士、障害福祉サービス経験者は1人は常勤でないといけません。

*2 児童指導員、保育士、障害福祉サービス経験者のうち、半数以上は児童指導員又は保育士でないといけません。

*3 機能訓練担当職員(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・心理指導担当職員等)を置く場合、その数を児童指導員、保育士、障害福祉サービス経験者の合計数にカウントすることができます。

以上をまとめると、定員10名の小規模事業所の場合、①管理者兼児童発達支援管理責任者1人、②児童指導員又は保育士2人(うち1名は障害福祉サービス経験者でも可)の計3人が、ミニマムの人員配置となります。

【設備基準】

・指導訓練室が必要(訓練に必要な機械器具等を備えることが必要)

→床面積の基準はありませんが、児童発達支援センターの場合の基準である「子ども1人あたり2.47平方メートル」という基準が参考になります。

・その他必要な設備及び備品等を備えることが必要

【利用定員】

利用者の定員は10人以上です。


〔主として重症心身障害児を通わせる施設とする場合の例外〕
【人員基準】

・①嘱託医、②看護職員、③児童発達支援管理責任者、④児童指導員又は保育士、⑤機能訓練担当職員を1人以上配置させる必要があります。

【利用定員】

・5人以上とすることができます。


〔多機能型事業所の特例〕

・複数の通所支援事業を行う多機能型事業所は、利用定員を全ての通所支援事業を通算して10人以上とすることができます(例えば、児童発達支援と放課後等デイサービスの2つの事業を1つの事業所で行う場合、利用定員を未就学児(児童発達支援利用)を就学児(放課後等デイサービス利用)あわせて10人以上とすることができる、ということです。


〔児童発達支援センター〕

・通常の児童発達支援事業所より大規模な「児童発達支援センター」というものも存在します。

→「児童発達支援センター」とは

〔様々な児童発達支援事業所〕

以上の設置基準を満たすことはもちろんですが、そのうえで、児童発達支援事業所には、それぞれ様々な特色を有する事業所が存在します。

例えば、通所時間に関しては、幼稚園と同じような時間帯で、朝から始まって、昼食を食べて、お昼過ぎに帰ってくるところ、逆に、幼稚園が終わった後の午後の時間帯に開所して、幼稚園と並行しての通園ができるところ、あるいは共働き世帯やシングルマザー(ファーザー)世帯のために、朝から夕方まで保育園並の時間預かってくれるところもあります。

また、未就学のお子さんだけ集めている事業所もあれば、未就学のお子さんと放課後等デイサービスの小学生が一緒に過ごす事業所もあります。

1歳くらいから通えるところもあれば、3歳以上でないと受け入れない事業所もあります。

どこが良い悪いではなくて、それぞれの特色に、ご家庭やお子さんとの相性が合うかどうか、だと思いますので、実際に見学して、お子さんにあうところを選べば良いと思います。


〔利用にあたって〕

利用に当たっては、行政から通所支援受給者証の交付を受ける必要があります。

札幌市の場合、児童発達支援連絡協議会(児発連)(外部リンク)というところが、毎年ガイドブックを出しています。

また、札幌市の事業所の空き情報等が検索できる「元気さーち」(外部リンク)というサイトもありますので、そちらも参考になるかと思います。

→ 児童発達支援事業所や放課後等デイサービスに通うには
→ 通所支援受給者証とは

(2020年9月28日)

(2020年10月3日修正、10月6日追記、10月17日追記)