〔ビバンセとは〕
ビバンセは、リスデキサンフェタミン製剤という薬です。
日本での発売開始年は2019年12月と、現在流通している4種類の中で1番遅いものです。
〔ビバンセの効用〕
ビバンセの特徴は、それがコンサータと同様に、中枢神経刺激薬だということです。この点が、非中枢神経刺激薬であるストラテラ・インチュニブとの大きな違いです。
ADHDの原因は、脳内のドーパミンやノルアドレナリン等の神経伝達物質の不足にあるとされていますが、このドーパミンやノルアドレナリンは脳内に分泌された後、しばらく経つと徐々に再度脳内に吸収されていきます。
コンサータは、脳の中枢神経を刺激して、脳内のドーパミンの再取り込み口を塞ぐことにより、脳内でのドーパミンの濃度を増やす薬でしたが、ビバンセはそれに加えて、更に脳内でのドーパミンの分泌そのものを増やす作用があります。
そして、中枢神経に直接作用する分、コンサータと同様、その効果も早く、そして強く現れます。その反面、副作用として、依存性があるとされています。
その効用や危険性は、概ねコンサータと同様だと言えそうですが、良くも悪くもコンサータより強力だと言えそうです。
そして、コンサータが第1種向精神薬であるのに対し、ビバンセは覚せい剤原料として、覚せい剤取締法の規制対象となります。
コンサータについて、「コンサータは覚せい剤と同じだ。」というような言い方は少し言い過ぎでしたが、ビバンセについては、「ビバンセは覚せい剤と同じだ。」というのは、覚せい剤原料なのか、覚せい剤そのものなのかという違いはありますが、あながち間違いではないと言えそうです。
ビバンセは覚せい剤取締法の規制対象となりますので、その処方のためには医師にも薬局にも、そのための申請と登録が必要ですし、覚せい剤原料ですから、当然相当程度の依存性があるということになりますので、使用には注意が必要です。
また、その他の主な副作用として、食欲減少、不眠、頭痛、動悸、体重減少等があるそうです。
〔薬の服用方法〕
ビバンセはカプセルのみで、一日1回、朝処方して、12時間程度効果があるとされております。
不眠の副作用との関係で、原則として午後の服用は避けるべきとされています。
(2021年1月14日)