強迫性障害とは、不合理な行為や思考を自分の意に反して反復してしまう精神障害の一種です。

同じ行為を繰り返してしまう「強迫行為」と、同じ思考を繰り返してしまう「強迫観念」からなります。

アメリカ精神医学会の診断ガイドラインである「精神障害の診断と統計マニュアル(第5版)」(DSM-5:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders-5)(2013年発表)においては、「Obsessive-compulsive disorder 強迫症/強迫性障害」という診断名で分類され、「Obsessive-compulsive or related disorders 強迫症および関連症群/強迫性障害および関連障害群」の中の一分類とされます。

世界保健機構(WHO)の国際疾病分類(ICD:International Classification of Diseases)のうち、ICDー11(2018年発表)においては、「Obsessive-compulsive disorder 強迫症」という診断名で分類され、「Obsessive-compulsive or related disorders 強迫症または関連症群」の中の一分類とされます(いずれも日本語の病名は日本精神神経学会の訳です。)

DSM-5、ICDー11いずれにおいても、知的能力障害群(知的発達症)、自閉症スペクトラム障害(自閉スペクトラム症)、ADHD、チック障害(チック症)が含まれている「Neurodevelopmental disorders 神経発達障害群(神経発達症群)」とは別の類型として分類されています。

トゥレット障害では強迫性障害を合併しやすいようであり、トゥレット障害のないADHDでも強迫性障害を二次障害として起こすような場合もあります。

(2020年10月28日)