〔常同行動(反復性行動)〕
自閉症の子どもの特徴的な行動で次に挙げられるものとしては、「常同行動」があります。
これは、特に意味がないと思われる同じ動作を繰り返すことで、「反復性行動」とも言います。
haruくんにもあります。
〔医師の立場から〕
医師の平岩幹男さんは、その著書の「自閉症スペクトラム障害」で次のように述べています。
「常道行動は、反復性行動とも呼ばれますが、同じ動作の繰り返しで、周囲からは何を目的としているかがわからない動作です。
たとえば、ピョンピョン跳ねる、パチパチ手を打ち鳴らす、壁に頭をゴンゴンぶつけるなどの動作です。
鉛筆などでいつまでも床や机をたたくという行動もあります。
無理矢理手を取ったり捕まえたりしてやめさせても、またすぐに始まります。
常同行動を止めるためには、言語的コミュニケーションの発達を促し、我慢すれば褒められることが理解できるようになることが目標になります。」
また、医師の本田秀夫さんは、その著書の「自閉症スペクトラム」で次のように述べています。
「知的発達の遅れが目立つ人では、自分の身体を用いた『常同行動』がよく見られます。
これは、例えば、手をひらひら振るなど、同じ行動や行為を目的もなく何度も繰り返すものです。」
「決まったパターンが変化すると強い抵抗を起こし、このときにしばしば「パニック」と言われる現象や、自傷行動、他害行動などが見られます。
知的発達の遅れが目立たない人でも幼児期にはこうした行動が目立つことがあります。」
〔当事者の立場から〕
当事者の目線から言うと、自閉症当事者の東田直樹さんは、その著書の「自閉症の僕が飛び跳ねる理由」で次のように述べています。
「自閉症の人の反復行動は、自分なりの『きり』がつかなければ終わりにはなりません。
どうしても、同じことをやってしまって、自分でも嫌気がさします。でも、自分で納得できなければ終われないのです。
この『きり』というのは、言葉の繰り返しなら微妙な音程やリズムのずれだったり、タイミングのずれだったりします。
また、行動ならスピードや角度、感覚などが自分の思い通りにできないと、何回もやりたくなるんです。
几帳面な性格の人には、少しはその感覚が分かってもらえると思います。
自分でもどうでもいいことなのに、と感じています。
でも、そうしないとすっきりしないのです。すっきりしないと前に進めないのです。」
harusoraも、haruくんを見ていて、本人も嫌だけど止められないんだろうなあ、と感じるときがあります。
(2020年12月1日)