〔ADHDの原因と投薬治療〕
「ADHDとは」でも触れましたが、ADHDの原因として、医学上、一般的には、脳内の神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリンなどが不足したり神経伝達に異常が生じることによって、衝動性、多動性、不注意性などの諸症状が起きるとされています。
このように、ADHDの原因が、脳内でのドーパミンやノルアドレナリンなど不足や神経伝達の異常にあるとされていることから、それに対し処方される薬も、脳内のドーパミンやノルアドレナリンの量を増やしたり、神経伝達の異常を改善する作用も持つ薬が使用されます。
日本で、ADHDに対して薬が使用できるようになったのは2007年からであり、まだそんなに歴史がありません(以前は、「リタリン」という薬を使用するケースがありましたが、ADHDへの適応が認められていなかったため、二次障害のうつ病に対して処方するという形で事実上使用されていたようです。なお、リタリンは2007年にうつ病への適応が削除されました。)。
2021年1月現在、ADHDに使用される薬は、以下の4種類があります。
〔コンサータ〕
(一般名)メチルフェニデート
(種類)中枢神経刺激剤(第1種向精神薬)
(形状)錠剤
(作用)ドーパミン・ノルアドレナリン再取り込み阻害
(効果発現)早い
(1日あたり服薬回数)1回朝
(適応年齢)6歳から
(流通規制)あり。第1種向精神薬として、麻薬及び向精神薬取締法による規制対象
(発売時期)2007年12月
→コンサータについて詳しく
〔ストラテラ〕
(一般名)アトモキセチン
(種類)非中枢神経刺激剤/選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害剤
(形状)液剤、錠剤、カプセル
(作用)ノルアドレナリン再取り込み阻害
(効果発現)ゆっくり
(1日あたり服薬回数)2回
(適応年齢)6歳から
(流通規制)なし
(発売時期)2009年6月
→ストラテラについて詳しく
〔インチュニブ〕
(一般名)グアンファシン
(種類)非中枢神経刺激剤/選択的a2Aアドレナリン受容体作動薬
(形状)錠剤
(作用)アドレナリンa2A受容体刺激
(効果発現)早く
(1日あたり服薬回数)1回
(適応年齢)6歳から
(流通規制)なし
(発売時期)2017年5月
→インチュニブについて詳しく
〔ビバンセ〕
(一般名)リスデキサンフェタミン
(種類)中枢神経刺激剤(覚せい剤原料)
(形状)カプセル
(作用)ドーパミン・ノルアドレナリン再取り込み阻害
(効果発現)早い
(1日あたり服薬回数)1回朝
(適応年齢)6歳から18歳まで
(流通規制)あり。覚せい剤原料として、覚せい剤取締法による規制対象
(発売時期)2019年12月
→ビバンセについて詳しく
〔harusoraの場合〕
haruくんは、小学校に上がるタイミングでお医者さんの勧めもあり、投薬治療を開始しました。
当時は、認可されていたのがコンサータとストラテラの2択しかなく、より効き目がマイルドなストラテラが処方されました。
また、当時のharuくんは錠剤を飲めなかった(吐き出してしまう)ので、液剤があるストラテラの方が、服用させるためには現実的でした。
この液剤、専用のスポイトで吸い上げて使用します。本来は、スポイトは計量に使用し、コップに移して飲んでもらうのでしょうが、haruくんが飲まないため、パパが片手で手を押さえ、もう片手で鼻をつまんで口を開けさせ、そこにママがスポイトを差し込んで液剤を流し込んで飲んでもらっていました。
haruくんも辛かったでしょうし、両親としても、やむを得ないこととはいえ、とても心が痛むものでした。
当時は想像もつきませんでしたが、ママが工夫を凝らしたこともあり、幸い、今では、錠剤で飲むことができるようになっています。
→薬の飲ませ方(服用方法)
ただ、haruくんの場合、不注意性よりも衝動性の方が強いようなので、インチュニブに変更するかどうか、現在、お医者さんと相談しながら検討しているところです。
(2021年1月5日)
(2021年1月6日加筆)