「この地球にすんでいる僕の仲間たちへ」(東田直樹・東田美紀)(エスコアール)

「この地球にすんでいる僕の仲間たちへ ~12歳の僕が知っている自閉の世界」

 

著者-東田直樹・東田美紀  出版-エスコアール 発行年-2005年

ページ数-129頁 定価-1900円+税

著者の東田直樹氏は自閉症の当事者、東田美紀氏はその母親です。

この本は、東田直樹さんが12歳のときの本なので、代表作である「自閉症の僕が飛び跳ねる理由」よりも前に書かれたものになります。

自閉症児の特徴的な行動について、そういう行動を取る理由について当事者の視点で語ってくれるのが参考になります。

例えば、周りの人が対象物を指でさして、「見て。」と言われても、どこを見て良いかわからず、そのうち相手が指を出していることに気がついて指をみるようになり、本当はその指の先にあるものを見るべきことに気がついてのは小学校2年生くらいになってからであることは、考えさせられました。たしかにharusoraも、haruくんに対し、「この指のずっと先にあるものを見てね」なんて説明しなかったですね.

また、怒られているのに笑ってしまうのは、今、自分が怒られているということが分かって、分かったことが嬉しくて笑ってしまう、という説明には、なるほど、と思いました。

それから、本書は、母親である東田美紀さんから見た、直樹さんの出生から12歳までの記録が30ページくらいにわたって綴られています。母親目線で書かれたこの記録には、いろいろ考えさせられました。

(2020年9月19日)

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