「続・自閉症の僕が跳びはねる理由」(東田直樹)(エスコアール)

「続・自閉症の僕が跳びはねる理由」

著者-東田直樹  出版-エスコアール 発行年-2010年

ページ数-147頁 定価-1600円+税

著者の東田直樹氏は自閉症の当事者

この本は東田さんが13歳のときに書いた「自閉症の僕が飛び跳ねる理由」の続編で、前作では中学生だった東田さんが高校3年生のときの作品です。

自閉症当事者が話す言葉には、自分を安心させるためのフレーズ、意思と関係なく出てしまう言葉、やりとりを楽しんでいる言葉などのいくつかのバリエーションがあることや、自分から要求することは難しいことなど、なるほどそうなのか、と教えられることが多くありました。

また、部分で頭がいっぱいになってしまう場合があることや、自分なりの「キリ」がつくまで反復行動をやめることは難しいことなどは、haruくんを見ていて、おそらくそうなのかな、と思っていたことがやはりそうなのか、と納得することができました。

一番印象に残ったのは、パニックになったときの話で、問題はパニックそのものよりも「パニックを起こすほどの辛い気持ち」であって、どこかでその気持ちを受け止めてもらわなければ気持ちが崩れてしまうこと、パニックになったときにも側にいて共感してくれると嬉しいことなどと語ってくれています。

そして、そのときに嫌な顔や困った顔をされると辛いことと、どのような対応をされたかが「自尊心」に繋がってくるということは頭に留めておくようにして、haruくんがパニックになったときは、頭突きをされたりするのですが、できるだけ痛みを顔に出さないようにして受け止めることを心がけています。

内容的に前作と重複しているな、と思える部分もありますが、特に気になるほどではありませんでした。

(2020年7月31日)