「教えて、のばす!発達障害をかかえた子ども~幼児期のABAプログラム~」(宍戸恵美子)(少年写真新聞社)

「教えて、のばす!発達障害をかかえた子ども~幼児期のABAプログラム~」

著者-宍戸恵美子 監修-平岩幹男  出版-少年写真新聞社 発行年-2014年

ページ数-167頁 定価-1200円+税

著者の宍戸恵美子さんは自閉症のお子さんを持つ理系の学者さん、監修の平岩幹男さんは日本小児保健協会理事、東大医学部非常勤講師(いずれも当時)の医師です。

この本は、タイトルのとおり、主に幼児期のABA(Applied Behavior Analysis:応用行動分析)プログラム(本書では行動療法や行動介入と表現しています)について紹介しています。

たしか、購入した当時、ABAについて興味があり、平岩幹男先生の本を読んだことがあったので、買って読んだのですが、軽度から中度の発達障害の幼児期のお子さんを想定した内容が記載されており、当時のharuくんには難しいかなあ、とざっと一読して終わったような記憶です。

ただ、「発達障害の子どもの育て方は、ふつうの育児の延長」「一番大切なことは『子どもをほめる』こと」という言葉には勇気をもらいました。

また、要求(マンド)を引き出すために2つのものを示して選んでもらうということは、他所で勧められたこともあって、ずっと続けていますし、そのほかにも、物や色のマッチングなど、療育機関で行っている療育の内容について理解が深まりました。

今回、書籍紹介を書くために読み返してみて、ずっとクレーン(クレーン現象:自閉症児の特徴的な行動で、指さしができないので、欲しいもののところまで親の手をもっていこうとする。)しかしていなかったharuくんも、いつのまにか当たり前のように指さしや発語による要求ができるようになっており、成長したんだなあと感慨深く感じました。

療育に対する考え方は人それぞれだと思いますが、ABAにせよ他の方法にせよ、完全にできなければならないと思ってイライラするよりも、ほどほどのところで心の余裕をもってやった方が、トータルでは良い結果を生むように思います(半分は、ちゃんとやってこなかった言い訳ですが。)。

(2020年8月31日)

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