「障害者」か「障がい者」か

〔「障害者」か「障がい者」か〕

晴空NET.では、「障害者」という漢字表記をしていますが、「障がい者」という「がい」の字ををひらがなで表記しているところも多くあります。

別に「害」が常用漢字ではない、というわけではありません。

では、なぜ敢えて「害」ではなく「がい」とひらがなで書くのでしょう。

〔「障がい者」と表記する理由〕

「障がい」という表記は「害」という表記が、あたかも障がい者が害悪であるかのようなマイナスイメージを与えてしまうから、ということでひらがな表記にすることが多いようであり、従来は、「障害」と表記するよりも、障がい者に配慮しているものとして捉えられていました。

〔障害の「医学モデル」と「社会モデル」の対比〕

しかし、近時は、むしろ、障害の捉え方に対する医学モデルと社会モデルの対比で語られることが多いようです。

「医学モデル」というのは、障害のある人が日常・社会生活で制限を受ける原因を個人の心身の機能の障害に求める考え方のことです。

これに対して、「社会モデル」というのは、障害のある人が日常・社会生活で受ける制限は、心身の機能の障害のみならず、社会における様々な障壁と相対することによって生ずるという考え方のことです。

〔障害者差別解消法は「社会モデル」〕

2016(平成28)年4月1日から施行された障害者差別解消法(正式名称は「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」といいます。)は社会モデルの考え方に立っています。

すなわち、障害者差別解消法2条1号は「障害者 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。」と規定しています。

この条文を分解すると、

「障害」・・・身体障害、知的障害、精神障害その他の心身の機能の障害

「障害者」・・・「障害がある者」で「『障害』+『社会的障壁』」により「継続的に」「日常生活or社会生活」に「相当な制限を受ける状態」にあるものとなります。

この考え方は、障害者のハンディキャップをその個人の内なる問題としてではなく、それを取り巻く社会の問題として捉えるため、「害」が障害者に対するマイナスイメージで良くないという発想(これも結局障害をあくまで個人の問題と考えている事では一緒です)からは切り離され、「障害者」と漢字表記することになります。

harusoraは、この社会モデルの考え方に立って、「障害者」と書くことが多いですが、余り本質的ではない言葉の問題の気もしているので、別に「障がい者」と書くのが誤りだと思っているわけでもありません。

言葉をどう書くか、よりも、実際に社会的障壁が徐々にでもなくなっていくことのほうが大事ですよね。

→障害の「医学モデル」と「社会モデル」

(2020年9月13日)

(2020年9月17日追記)

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